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コスト改善

家賃5,000円アップを実現するバリューアップリノベーション事例

吉野 博

株式会社LinK 代表 / 業界歴約11年 / 原状回復・リフォーム専門

「また家賃を下げることになってしまった」——退去のたびに募集家賃を見直し、気づけば相場より2〜3千円低い設定で妥協している物件は、管理担当者さんの手元にきっとあるはずです。

結論から言うと、家賃を下げる前にやるべきことがあります。原状回復と同じタイミングで、+10〜30万円の「バリューアップリノベーション」を施工すれば、1Kでも月額5,000円以上の家賃アップが実現できます。投資回収期間は2〜4年。空室損失が続く現状と比べると、圧倒的に合理的な選択です。

この記事では、バリューアップリノベーションの基本的な考え方、間取り別の施工事例と費用・家賃アップ実績、投資回収期間の計算方法、費用対効果の高い工事TOP5、オーナーへの提案書の作り方、そして「原状回復のついでに」提案する最適なタイミングを解説します。

バリューアップリノベーションとは何か

原状回復との違い

原状回復は「入居前の状態に戻す」工事です。汚れたクロスを張り替え、傷ついた床を修繕し、水回りを清掃する。これは原状を「維持」するための投資であり、家賃アップにはつながりません。

バリューアップリノベーション(バリューアップ工事)は、「入居前の状態を超える価値を付加する」工事です。原状回復のついでにアクセントクロスを施工する、照明をLEDシーリングに変える、洗面台をシャワー付きに交換する——これらは原状回復費用に上乗せで発生しますが、その分だけ物件の競争力が上がり、家賃設定の引き上げや空室期間の短縮につながります。

両者の最大の違いは「誰が得をするか」です。原状回復はオーナーが損失を補填する支出ですが、バリューアップは将来の収益を増やす投資です。管理会社さんがオーナーさんに説明する際は、この「費用(Cost)と投資(Investment)の違い」を明確に伝えることが提案成功のポイントになります。

原状回復と同時施工が最もコストが低い理由

バリューアップ工事を単独で発注すると、クロス職人・床職人・電気工事士それぞれに対して出張費・段取り費が個別に発生します。しかし、原状回復の職人がすでに入っているタイミングなら、バリューアップ工事の「材料費の差額」だけを追加すればいい。

具体的には、量産品クロス(白・アイボリー系)を貼るところにアクセントクロスを1面追加する場合、単独発注なら工賃込みで2〜3万円かかる工事が、原状回復と同時なら材料差額の3,000〜8,000円で完了します。原状回復のタイミングは、バリューアップ工事を最もコスト効率よく実施できる唯一の機会です。

空室対策全体の視点は空室が決まらない原因と改善策でも解説しています。

間取り別・家賃アップ事例はどのくらいか

1K(18〜25m²):+5,000〜8,000円/月

1K物件のバリューアップで効果が出やすいのは、クロス・照明・建具の見た目改善です。設備交換より内装の印象を変える方が、費用あたりの効果が高い。

施工内容の例(追加費用計15万円)

工事内容 追加費用目安
アクセントクロス施工(1面・グレー系) 5,000〜8,000円
LEDシーリングライト交換 15,000〜25,000円
ドア・建具のリペア塗装 30,000〜50,000円
CF(クッションフロア)グレードアップ 20,000〜40,000円
ハンドシャワー付き混合水栓交換 20,000〜35,000円

合計追加費用:10〜16万円。これで月額家賃を5,000〜8,000円引き上げた場合の投資回収期間は**17〜32ヶ月(1.5〜2.7年)**です。

築12年の1K(東京都江戸川区、家賃6.5万円設定)で実際に上記の工事を施工した事例では、リノベ後に家賃7万円で告知し直したところ、写真撮影から19日後に申込みが入りました。空室期間が従来比で1.5ヶ月短縮され、追加工事費13万円は初回入居だけで回収できています。

1LDK(30〜45m²):+8,000〜12,000円/月

1LDKはリビングがある分、内覧時の「生活感のイメージ」が入居決定に直結します。ポータルサイトの写真でリビングが魅力的に映るかどうかが勝負です。

施工内容の例(追加費用計25万円)

工事内容 追加費用目安
リビングアクセントクロス(テレビ背面) 10,000〜20,000円
LEDダウンライト(リビング3〜4灯) 60,000〜90,000円
フローリング重ね張り(リビングのみ) 60,000〜90,000円
ユニットバス清掃+パネル交換 50,000〜80,000円

合計追加費用:18〜28万円。月額家賃を10,000円引き上げた場合、投資回収期間は18〜28ヶ月。1LDKでは照明グレードアップの効果が特に大きく、内覧時の第一印象を「普通」から「こだわっている部屋」に変えられます。

フローリング重ね張りの費用詳細はフローリング工事の費用相場で確認できます。

2LDK(50〜65m²):+10,000〜20,000円/月

2LDKはファミリー層がターゲットになることが多く、「収納の使いやすさ」「水回りの使いやすさ」が入居判断に大きく影響します。

施工内容の例(追加費用計40万円)

工事内容 追加費用目安
洗面台交換(シャワー付き・ミラーキャビネット付き) 80,000〜150,000円
3点式分離工事(浴室と洗面・トイレを分ける) 200,000〜400,000円
全室アクセントクロス(各部屋1面) 20,000〜40,000円
玄関・廊下のCF張替えグレードアップ 15,000〜30,000円

3点式分離(3点ユニットバスを浴室・洗面・トイレに独立させる工事)は費用が大きい(20〜40万円)ですが、2LDKでの家賃アップ効果も最大です。月額家賃を15,000〜20,000円引き上げられた実例があり、投資回収は20〜33ヶ月で完了します。

水回り工事の費用は水回りリフォームの費用と判断基準で詳細を確認してください。

投資回収期間はどうやって計算するのか

基本公式:投資回収期間の計算式

バリューアップ工事の投資回収期間は、以下の計算式で求めます。

投資回収期間(月)= 追加工事費用(円)÷ 月額家賃アップ分(円)

例:追加工事費15万円、月額家賃アップ5,000円の場合 → 150,000円 ÷ 5,000円 = 30ヶ月(2.5年)

ただし、この計算は「家賃が確実にアップする」ことを前提にしています。実務では、「空室期間の短縮効果」も合わせて試算してください。

空室損失も含めた実質回収期間

家賃6.5万円の1K物件が従来は平均2ヶ月空室だったとします。バリューアップ後に家賃7万円に引き上げ、空室期間が1ヶ月に短縮された場合を計算します。

項目 バリューアップ前 バリューアップ後
月額家賃 65,000円 70,000円
平均空室期間 2ヶ月 1ヶ月
年間空室損失 130,000円 70,000円
年間収入(12ヶ月満室-空室損失) 650,000円 770,000円

年間収入の差:770,000円 − 650,000円 = 120,000円/年の増加

追加工事費150,000円 ÷ 120,000円/年 = 1.25年(約15ヶ月)で実質回収完了

家賃アップだけで計算すると30ヶ月だったものが、空室損失の改善を含めると15ヶ月まで短縮されます。オーナーへの提案資料では、この「実質回収期間」を示すことが投資判断を後押しします。

オーナーが「やる」と決める数字の見せ方

提案書では次の3つの数字を必ず出してください。

  1. 追加工事費(内訳付き):例)158,000円
  2. 月額家賃アップの予測幅:例)+5,000〜8,000円/月
  3. 投資回収期間(最長・最短):例)20〜32ヶ月

数字に幅を持たせることで、オーナーさんが「最悪でも32ヶ月で回収できる」という判断ができます。回収期間を見せずに「やると良くなります」という提案は、オーナーさんに「どうせ費用の無駄遣いでは」と思わせるだけです。

費用対効果が高いバリューアップ工事TOP5

第1位:アクセントクロス(追加費用3,000〜20,000円)

最もコストパフォーマンスが高い工事です。原状回復のクロス張替えと同時施工なら、追加費用は材料差額の3,000〜8,000円のみ。それでポータルサイトの写真が劇的に変わります。

グレー系・ネイビー系・木目調が外れにくい定番で、どの間取りにも対応できます。単独のバリューアップ工事としてではなく、「原状回復のオプション扱い」で見積もりに組み込む方法が最も採用率が高い。アクセントクロスの詳細な効果と選び方はアクセントクロスで入居率アップで解説しています。

第2位:照明交換(追加費用15,000〜90,000円)

LEDシーリングライトへの交換は、内覧時の印象と写真映りに直接効きます。既存の蛍光灯シーリングから交換するなら、1灯あたり15,000〜25,000円。ダウンライト(天井に埋め込む照明)への変更は、部屋のグレード感を一段引き上げる効果があります。

照明は「昼白色(白っぽい光)」か「電球色(暖かい光)」かで部屋のテイストが変わります。ポータルサイト掲載用の写真では電球色の方が温かみが出てクリック率が上がる傾向があります。

第3位:CF(クッションフロア)グレードアップ(追加費用10,000〜30,000円)

原状回復のCF張替えで量産品(無地・薄いグレー系)を使うところを、木目調・大理石調などデザイン性の高いCFに変更するだけで追加費用は1〜3万円です。床材は部屋の面積の大部分を占めるため、写真映りと内覧時の印象への影響が大きい。CF張替えの費用相場はCF(クッションフロア)の張替え費用ガイドで確認できます。

第4位:水栓交換(追加費用15,000〜40,000円)

洗面・キッチン・浴室の水栓をハンドシャワー付き混合水栓に交換すると、内覧時の「水回りがきれい・使いやすそう」という印象が変わります。単価は15,000〜40,000円程度で、設備交換の中では最も低コストです。

ひとつ交換するだけで「この部屋、手が入っている」という印象が生まれます。特に洗面水栓は内覧者が必ず手で確認する箇所のため、投資効果が出やすい工事です。

第5位:ドア・建具のクリーニング+リペア(追加費用10,000〜50,000円)

扉の枠・把手(ドアノブ)・蝶番(ちょうつがい)の汚れ・キズは、内覧者が無意識のうちに「管理が行き届いているか」の判断基準にします。原状回復のハウスクリーニングで取り切れない部分はリペア(補修)で対処することで、「新しくはないけど、きれいに管理されている部屋」という印象を作れます。

ハウスクリーニングの費用はハウスクリーニングの費用相場を参照してください。

オーナーへの提案書はどう作るか

提案書の構成:4ページ完結

オーナーへのバリューアップ提案書は、A4用紙4枚(または同等のPDF)で完結させます。枚数が多いと読まれない。少なすぎると信頼性が出ない。4枚が現場で最も採用率が高い構成です。

1ページ目:現状の課題

  • 現在の物件の写真(ポータルサイト掲載中の写真と同じもの)
  • 直近の内見数・申込み数・空室期間の実績
  • 「問題はどこにあるか」を客観的なデータで示す

2ページ目:提案内容と費用内訳

  • 施工する工事の一覧(工種・数量・単価・小計)
  • バリューアップ工事費の合計
  • 原状回復費用とバリューアップ費用を明確に分けて記載

3ページ目:施工後のイメージ

  • 同様の工事を施工した参考事例写真(Before/After)
  • アクセントクロスや照明変更後のイメージ写真(素材サンプルでも可)

4ページ目:費用対効果と投資回収の試算

  • 月額家賃アップの予測幅:例)現状7.0万円 → 提案7.5万円
  • 投資回収期間の計算(最長・最短)
  • 空室損失を含めた実質回収試算

提案のタイミングと断られたときの対応

提案は退去通知が届いた時点がベストです。退去確定 → 立会い日程確認 → 同時に「今回バリューアップの提案書をお出ししたい」と声をかける。原状回復の工事段取りと並行して進めるため、オーナーさんの決断に対して時間的な余裕があります。

断られた場合でも「今回は見送り」であって「永遠に不要」ではありません。「次の退去時にまた相談します」と言い残しておくだけで、次回の提案が受け入れられる確率が上がります。一度断られたことを引きずらず、「原状回復のついでに提案するのが当然のフロー」として習慣化することが大切です。

見積書の作り方・提示方法は見積書の正しい読み方と確認ポイントも参考にしてください。

「原状回復のついでに」提案する最適なタイミングはいつか

退去通知を受けた直後が第一のチャンス

オーナーさんが「何かしようかな」と考えるのは、退去通知を受けた直後です。このタイミングで「今回の退去に合わせて、バリューアップの相談ができます」と声をかけることが、提案成功率を上げる最大のポイントです。

退去後しばらく経ってから提案するのでは遅い。工事がすでに終わっていて、「次の退去まで待ちましょう」になってしまいます。退去通知の段階で管理会社さんが動けるかどうかが、オーナーへの提案成功率を決めます。

長期空室物件の現地調査に同行するタイミング

3ヶ月以上空室が続いている物件は、定期的に現地確認をする機会があるはずです。その現地確認のタイミングで、「この部分を変えれば写真映りが変わる」という具体的な指摘と提案書を持参します。

「空室が長引いている = 家賃を下げるしかない」という固定観念を持っているオーナーさんに、「バリューアップという選択肢がある」と示せるのは、現地を知っている管理会社さんと施工会社の連携でしか実現できません。

設備の耐用年数が近い物件の定期メンテナンス提案

給湯器・エアコン・照明など主要設備の耐用年数(10〜15年)が近い物件は、次の退去時に「設備交換 × バリューアップ」をセットで提案できます。

「どうせ設備を替えるなら、内装も合わせてバリューアップしましょう」という提案は、コストをまとめることで割安感が生まれ、オーナーさんが承諾しやすくなります。設備の耐用年数の目安は設備の耐用年数一覧と交換判断基準で確認してください。

よくある質問

Q. バリューアップ工事の費用は全額オーナー負担ですか?

A. 全額オーナー負担です。バリューアップ工事は「入居前の状態を超える価値を付加する工事」であり、入居者に負担を求める根拠がありません。一方、原状回復費用(入居前の状態に戻す工事)は入居者の故意・過失による損傷分について入居者に負担を求めることができます。見積書には原状回復費用とバリューアップ費用を必ず分けて記載し、費用の根拠を明確にすることがトラブル防止につながります。

Q. バリューアップ後に家賃が上がらなかった場合はどうなりますか?

A. 家賃アップが実現しなかった場合でも、バリューアップ工事の効果が「空室期間の短縮」に出るケースがほとんどです。月額家賃を据え置いたままでも、空室期間が1〜2ヶ月短縮されれば年間6〜16万円の損失削減になります。追加工事費が15万円以下であれば、空室短縮だけで1〜2年以内に回収できる計算です。「家賃アップか空室短縮か、どちらかが実現すれば元が取れる」という説明でオーナーさんの不安を解消してください。

Q. どの物件でもバリューアップの効果が出ますか?

A. 効果が出やすい物件と出にくい物件があります。効果が出やすいのは「築10〜20年で設備は動くが見た目が古い」物件です。逆に、エリアの需要そのものが弱い立地(駅から15分以上・周辺に競合物件が少ない)では、バリューアップより家賃調整が先決になるケースもあります。バリューアップを提案する前に「周辺相場より高い家賃設定が可能か」を確認してから進めてください。LinKの場合は、現地確認の際に周辺の空室状況も合わせてお伝えしています。


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株式会社LinK / 代表取締役 吉野 博 原状回復・リフォーム・リノベーション 関東一都三県対応(東京・千葉・埼玉・神奈川) HP: https://link-8.jp お問い合わせ: 03-6825-2464

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